学習の目的
10倍とか100倍というと、掛ける側の数の左側に0をつけていくことをいいます。
10倍であれば、0を1つ。
100倍であれば、0を2つ左側に付けていきます。
何十・何百という計算ですが、実際は1桁同士の計算となります。
その計算結果に0を付け足して答えを出していきましょう。
0の掛け算の場合は、何を掛けても0になります。
これは算数の概念の問題です。
0というのは何も無いものです。
どんな数字でも0を掛けたら0になります。
なぜなら、数字が一つも存在していないので0になるのです。
10・100の掛け算
0の掛け算
この単元は、算数が得意な人にとってはラッキー問題と言えるでしょう。
小学1年生の時に0を使った足し算と引き算の時もそうでしたが、0のある計算の場合は答えは簡単に導き出すことが出来ます。
原理や概念さえ覚えてしまえば、あとは計算式を原理に沿って解いていくだけです。
0の場合であれば、どんな数を掛けても必ず0になります。
10や100の場合であれば、0を左側に追加していくだけになります。
この仕組みをしっかりと理解していきましょう。
たとえ掛ける数が0でも掛けられる側の数字が大きいと本当に答えは0でいいのかなと不安になってしまうことが多々あります。
こんなに大きな数なんだから、もしかしたら自然数で答えを出せるんじゃないかと頭をよぎったとしても、答えは毎回0になります。
自分が小学生の時は、あまり気にせずにそういうもんなんだと思っていたけど、大人になってから考えるとツッコミどころが満載ですよね。
きっと当時の先生の説明も、子どもだからなんとなく納得させられたのでしょうが、今だったら、変なところに疑問を持ってしまいそうです。
例えば、5×0=0の説明で、リンゴ5つのお皿が一つもないので答えは0になります。と言われたとします。
そもそも、なぜ何もないのにリンゴを5つのお皿が出てくるのか?そもそも0なんだから最初にあるリンゴの概念はなぜ出てくるのか?と質問しまいそうです。
他にも、0×5=0の説明では、0個のみかんのお皿が5個あります。
なので、みかんは全部で0個あります。という説明でも同じことが言えると思います。
そもそも、0個の段階でなぜみかんなのか、これは何もないのだから、みかんと決めつけなくてもいいのではないか?と言ってしまいそうです。
大人になってからだと、いろんなことを覚えてくるのでなっとくできる説明方法も変わってきます。
5つのリンゴの場合、毎日5つにまとめられたリンゴがランダムで届くとします。
1日目は3皿、2日目は2皿、3日目は0皿、4日目は6皿届きました。
これを各日、リンゴが何個あるのかを計算するときに、1日目は5つ×3皿=15個、2日目は5つ×2皿=10個、3日目は5つ×0皿=0個、4日目は5つ×6皿=30個あることが分かります。
このように日々の統計を取っていくのに0の計算が必要になってきます。
使い道が分かってくると、0の計算の必要性がグッと高まり理解度も変わってくると思います。
※0を自然数に含めないのは高校数学までの考え方です。
大学以降では0を自然数として考えるという場面が出てきます。
小学3年生の後半では、小数点の勉強がスタートします。
3年生のうちは足し算・引き算で小数第何位という概念を学習し、4年生になると、小数点の掛け算が始まります。
10や100では10倍・100倍となっていましたが、0.1や0.01の場合ですと、1/10・1/100といった具合に0が増えずに、小数点がつきどんどん小さい数になっていきます。
複雑な計算で小数点や何十・何百倍の計算になるとこんがらがってしまう可能性があるので、簡単な計算問題を勉強している段階で、0の付け方、小数点の付け方をマスターしてしまうと、今後の算数も苦手になってしまう可能性は低いと考えられます。
子どもが学習をしていく内容は、学年が上がるごとに高度なものになっていきますが、実際は、基礎が出来ていればすんなりと出来るようになっています。
今は簡単だからとか、こんなの当たり前に出来るとないがしろにしないで、簡単だからこそ、問題を何回も解いて、考えなくても体が覚えているぐらいまで一つ一つの単元を習得すれば、学年が上がって難しい問題になっても、簡単だと思えるようになります。
そんなことが高校三年生まで続いていけば素敵ですよね。
きっとセンター試験も入試問題も数学で高得点が取れると思います。